「敬辞」の表現(Expression of “Salutation”)
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日本語では、例えば「□△商事(株)<改行> ○○様」のように相手の名前だけではなく所属先も書くことが多いです。しかし、英語の場合、メールは相手の個人に送るものであることより、送信先の名前のみを書くのが普通です(もちろん、一番最初にメールを送る場合は相手先の会社名を書くこともありますが。)。
まず敬称ですが、通常は以下のいずれかを使います。
Mr.; 未婚、既婚を問わず男性
Ms.; 未婚、既婚を問わず女性
Mrs.; 既婚の女性
Miss; 未婚の女性
Miss やMrs. の使い分けは、男女同権の観点からも好ましくありません(+ 最初にメールするとき、分かりませんから)。
特にビジネス系のメールでは、男性はMr.、女性はMs. を使うのが無難です。もちろん、相手からいただいたメールで御自分のことをMrs. △△ と書かれている場合は、以降のメールはMrs. △△ とするので問題ないと考えます。
敬辞の基本的なパターンは以下に示す4パターンですが、お互いの親密度が上がれば、”Dear” 以外に “Hi”や、”Hello” なども使われます。もっと親しくなれなれば、これらさえ付けない場合もあります。
敬辞の最後には、通常” , ” を付けます。また、相手の名前を名姓のフルネームで書く場合には、”Mr.”や”Ms.” の敬称は付けないことに注意してください。
以下によく使われる敬辞表現のパターンを示します。
・相手の名前、性別がわかっている場合
/ Dear Steve Thompson, 「スティーブ・トンプソン様へ」 (姓名で記す場合はMr., Ms などの敬称は付けません。)
/ Dear Mr. Aoyama, 「青山様」
/ Dear / Hi / Hello Steve, 「こんにちは、スティーブ(さん)」
/ Steve, 「スティーブ(さん)」
・相手の名前のみ分かり、性別はわからない場合
初めての人にメールを送付する場合、特に外国人の名前では性別がはっきりしない場合もがあります。その場合、本例のようにします。どちらが姓かわからない場合、相手が書いた署名があれば署名の順序通り、フルネームで書きます。
/ Dear Fredi Powell, 「フレディ・パーウェル様へ」
・相手の名前と役職がわかっている場合
Mr. や Ms. の代わりに、Manager や President、Professor などの役職名を使う場合も多いです。
/ Dear President Thomas, 「トーマス社長様」
・担当者の名前がわからない場合
担当者の名前がわからない場合、役職名を用います。
役職名がわからない場合、”person in charge of ~” (担当者の意味です。でも役職相当の人の場合を想定していると思います)を使います。
/ Dear Recruitment Officer, 「採用担当者様」
/ Dear General Sales Manager, 「営業部長様」
/ Dear Engineering Director, 「技術部長様」
/ Dear Person in Charge of Employment, 「採用御担当者様」
・部署あてに送る場合
/ Dear Customer Service, 「カスタマーサービス御中」
/ Dear Human Resources Department, 「人事部御中」
・送付先の部署名がわからない場合
日本語の「関係各位」に相当する表現です。
/ To whom it may concern, 「関係各位」
・取引先へ送る場合
/ Dear Business Partner, 「お取引先様」
・特定の個人に送るのではなくグループに送る場合
/ Dear Customers, 「お客様へ」
/ Dear Clients, 「お客様へ」
/ Dear Purchasers, 「御購入者様」
/ Dear shareholders, 「株主様」
/ Dear Suppliers, 「納入者様」
/ Dear Staff, 「社員各位」
/ Dear New Employees, 「新入社員各位」
/ Dear All, 「皆様へ」
参考文献
絶対に使える英文eメール作成術 大島さくら子 (株)角川SSコミュニケーションズ
説得できる英文Eメール200の鉄則 倉骨 彰 日経BP社
ORG:2020/04/11