接続詞の用法

接続詞の用法(conjuction)

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接続詞とは、語句と語句、節と節、文と文とを結びつける文法要素です。接続詞は、「等位接続詞」と「従位接続詞」との2つに大きく分けられます。

等位接続詞:⽂法上、対等な関係にある要素を結ぶ接続詞
従属接続詞:文の中心なる主節と、主節に対して名詞節、形容詞節、副詞節の働きにより説明を加える従属節を結ぶ接続詞

このほかに、接続詞ではないものの、接続詞と同じような働きをする副詞があります。副詞でありながら、接続詞と同様、節と節、文と文なとを結びつけます。この語を接続副詞といいます。これについても、簡単に記述します。

 

1.等位接続詞(coodinating conjunctions)

等位接続詞は、全部で7個あります。それらは、”for”、”and”、”nor”、”but”、”or”、”yet”、”so”の7つです。その使い方を順番に見ていきましょう。

 

(1)”for”

“for” の前にカンマ” , を加えて、「というのは〜だから」という使い⽅をします。接続詞として使用する”for” は文体的には少し形式ばっており、堅い響きがあります。口語の場合は”because”や”as” が用いられます。

○ We listened carefully, for he brought news of our families.
 「私たちは注意深く聞きました、というのは彼が私たち家族に関する知らせを運んでくれたからです。」

 

(2)”and”

単に語句や節、文をつなぐ役割をする接続詞です。意味としては、「〜と〜」や、「および」、「そして」という意味になります。同じような内容の項⽬を並列させて、追加の意味を表すこともあります。また、2つの動作が続いて起きた場合も、”and”を使ってつなぐことがあります。その場合、「(~しなさい)そうすれば」の意味になります。

○ I had a pizza and orange juice for lunch. (語と語)
 「私は昼食にピザとオレンジジュースを食べました。」

○ Speak the truth, and your position will change for the better.
 「本当のことを話してください、そうすればあなたの立場は好転するでしょう。」

 

(3)”nor”

接続詞としての”nor” は否定語を受けて。「AもBも~ではない」や「~もまた…ない」(= “and not either”)の意味があります。

○ I am not a rich man, nor do I wish to be one.
  「私は⾦持ちではないし、また⾦持ちになりたいとも思いません。」

 

(4)”but”

“but” ははっきりと語句、文節等の前後の対立・対比関係を示すのに使われます。

○ Mike is a millionaire, but he is not generous.
 「マイクは大金持ちです、しかし気前は良くありません。」

 

(5)”or”

“or” は、前後2つのもののうち、一つを選ばせる働きをする接続詞です。「…あるいは~」の意味を持ちます。また、命令文の後に文をつなぐ場合は、「さもないと~」の訳し方をします。

○ Would you like tea or coffee?
 「紅茶かコーヒーはいかがですか?」

 

(6)”yet”

“yet” は2つの相反する事柄を対照させる接続詞です。「~にもかかわらず」や「それでも」と訳すことが多いです。

○ It is raining heavily, yet I have to go to work.
 「雪が激しく降っています。それでも私は仕事に⾏かなくてはいけません。」


(7)”so”

“so” は、接続詞として用いる場合、「そういうことで」や「だから」、「そのため」のような結果を表す意味を持ちます。”therefore”や”thus” も同じような意味で用いられますが、口語の場合”so” が最もよく使われます。

○ The wind was blowing harder, so I decided not to go.
 「⾵がますます強く吹いてきましたので出かけるのを止めました。」

 

 

2.従属接続詞(subordinating conjunctions)

従属接続詞は、主節と従属節とをつなぐ役割をします。従属節は、理由や条件、譲歩、あるいは主動詞の目的語などとして機能します。名詞節を導くものと、副詞節を導くものとがあります。

 

2.1 名詞節を導く従属接続詞

名詞節は、名詞のように文の主語や、補語、目的語として、あるいは同格語として用いられます。名詞節を導くのは、以下の”that”、”whether”、”if” の3つだけです。

 

(1)”that”

「that節」 は名詞節を導いて、主語や動詞の目的語や補語になります。意味としては「~のこと」と訳される場合が多いです。

主語としての役割をする場合は、文頭に主語としておくと頭でっかちの印象を受けるので、通常は形式主語の”it” を用いて「that節」を後置します。

△ That he is a specialist in mechanics is certain.
○ =It is certain that he is a specialist in mechanics.
 「彼が機械⼯学の専⾨家であることは確かです。」

「that節」が、“think”や“hope”、“believe”、”suppose”などの動詞の目的語になる場合(特に口語表現)や文全体が短い場合は、”that” は省略されることも多いです。ただし、「that節」が2つある場合は、前の節の”that” は省略できても。後のほうの”that” は省略できません。

○ He said (that) he would come to see us today.
 「彼は今日私たちに会いに来ると言っていました。」

○ We believe (that) he is right and that nobody can doubt it.
 「我々は彼が正当であることを信じていますし、また誰もそれを疑い得る者はいないと思います。」

 

「that節」が補語になる場合を示します。
○ What surprises me most is that she never feels sorry.
 「最も驚かされるのは、彼女が決して悪気を覚えないということです。」

 

 

(2)”whether / if”

どちらも「~かどうか」で意味は同じですが、”if” は口語で、”whether” は文語で好まれる傾向があります。ただし、主語または補語になる節の場合や、同格を表す節にする場合、前置詞の目的語とする場合は、”whether” を使わなくてはなりません。

○ I asked him whether [if] he had computer experience.
 「私は彼にコンピュータの経験があるかどうか尋ねました。」

主語節の場合
○ Whether mercy killing should be legalized is widely argued.
× If mercy killing should be legalized is widely argued.
 「安楽死を合法化すべきかどうかが、広く議論されています。」

同格を表す節
○ The question whether you signed the document is not important.
× The question if you signed the document is not important.
 「あなたがその文書に署名したかどうかは重要な問題ではありません。」

前置詞の目的語とする場合
○ We inquired as to wheter Fred had called back.
× We inquired as to if Fred had called back.
 「我々は、フレッドが折り返し電話してきたかどうかについて問い合わせました。」

 

2.2 副詞節を導く従属接続詞

副詞節を導く従属副詞節は、多数あってそれらの用法も様々です。

 

(1)時を表す

“when”、”while”、”as”、”after”、”before”、”till [until]”、”since”、”as soon as”、”once”、”every time” などがあります。代表的なものを見ていきましょう。

○ He always speaks to me when he meets me on the street.
 「彼は通りで私に会うといつも話しかけます。」

○ I’d like you to handle this matter while I’m away.
 「私が不在の間、この件を担当してもらいたいです。」

○ What was your first job after you left school?
 「あなたは学校を卒業した後、最初の仕事は何でしたか?」

○ Once we receive your proposal, you may expect a reply within 48 hours.
 「あなたの提案を受け取ったら、48時間以内に返信が届くと思ってください。」

 

(2)理由・原因を表す

理由・原因を示す副詞節は、”because”や、”as”、”since” を用いることができます。”because” が最もよく用いられます。“as”や“since” には、理由を示す以外にも様々な意味があり、理由を示したい場合は”because” を使うのが無難です。

○ Because she has a good figure, whatever she wears suits her.
 「彼⼥はスタイルが良いので、何を着てもよく似合います。」

 

(3)目的を表す
“so that” と “in order that” とがあります。”in order that” は文語の場合に使われます。

○ I spoke so slowly so that my son might understand me.
 「息子が私の⾔うことを理解できるようにゆっくり話しました。」

 

(4)譲歩を表す

“though”や、”although”、”even if”、”even though”、”as” などが用いられ、「~だけれども」、「~にも関わらず」などの意味を表す副詞節を導きます。

○ She is persistent though she doesn’t look so.
 「彼⼥は⾒かけによらず粘り強いです。」

○ Even though we request an application, we were refused.
 「申込書を要求したにも関わらず断られました。」

○ Try as she might, she was unable to find a buyer.
 「どんなに頑張っても、彼女は買い手を見つけることができませんでした。」

(5)仮定・条件を表す

“if”や、“in case”、“suppose”、“supposing”、“providing”、“provided”、“unless” などを用いて条件節を作ります。「もし~なら」などの意味を表します。

○ If you have questions about our contents, please contact us by email.
 「もし内容についてご質問がある場合は、メールでお問い合わせください。」

○ In case I’m late, don’t wait for me.
 「もし私が遅れたら、待たないでください。」

  → “In case” については、「~するといけないので」、「~しても大丈夫なように」という意味と、「もし~ならば」という意味の両方に用いられますが、最初の意味は、英語では”so as to be safe” であり、2番目の意味はここで述べる”if” とほぼ同じ意味です。一般的には、アメリカでは”if” の意味で用いられる傾向があります。曖昧さを回避するためには、”if” を使うほうが無難です。

○ No refund will be made unless the buyer submits a written notice to us.
 「買い⼿が書⾯による告知を出さない限り、払い戻しは⾏われません。」

 

3.接続副詞(conjunctive adverbs)

副詞でありながら、接続詞のように「節と節」、「文と文」を結びつける語を接続副詞といいます。ただし、接続詞とは異なり、一文の中で語句同士、節同士、文同士を接続することはできません。

接続副詞の例としては、以下のようなものがあります(もっと多くあります)。

“accordingly(従って、)”や、”also(また、)”、”besides(その上、その他、)”、”consequently(結果として)”、”conversely(逆に)”、”finally(最後に)”、”furthermore(更に)”、”however(しかし)”、”indeed(確かに)”、”instead(代わりに)”、”meanwhile(その間、一方)”、”nevertheless(それでもやはり)”、”next(次に)”、”otherwise(そうでなければ、別の面では)”、”similarly(同様に)”、”still(それでも)”、”then(それで)”、”therefore(そのため)” などがあります。

接続副詞として用いる場合は、
・その前に”. (ピリオド)” を置いて、前の文と後ろの文とを独立させる。
・前後の部分が意味的に関連性が強い場合、”; (セミコロン)” を使うことも出来ます。
・接続副詞の後は、”, (カンマ)” が置かれます。

○ The patient was severely injured. However, his recovery was much quicker than we expected.
 = The patient was severely injured; however, his recovery was much quicker than we expected.
 「その患者は大怪我をしていましたが、我々の予想より回復がはるかに早かったです。」

→ 1文目は、ピリオドにより2文に分けた場合、2文目は、セミコロンにより1文とした場合で、意味はどちらも同じです。

○ The patient is recovering very quickly; therefore, he will be arrested by the police a few days later.
 「その患者の様態が急速に快⽅に向かっている。このため、2〜3⽇後には警察に逮捕されるだろう。」

接続副詞は、機能的には等位接続詞とほぼ同じ役割をします。

 

4.相関接続詞(correlative conjunctions)

接続詞と副詞などが一対となって接続詞の役割をしているものを相関接続詞といいます。例えば、“both… and ~ (…も~も両方)”や、“either … or ~ (…か~かいずれか)”、“neither … nor ~ (…でも~でもない)”、“so … that ~ (とても…なので~)”、“not only … but also (…だけでなく~も)” などが相関接続詞となります。相関接続詞は、等位接続詞の派生系ととらえれば良いと考えます。

○ Both Tom and Sindy are invited to the party on Wednesday.
 「トムもシンディも両方とも水曜日のパーティに招待されています。」

○ Either he or I paid the bills.
 「彼か私のどちらかが代金を⽀払います)

○ He is not only a great musician but also an excellent researcher.
 「彼は偉大な⾳楽家なだけでなく、優れた研究者です。」

 

5.群接続詞(group-conjunction)

群接続詞とは、2語以上がまとまって一つの接続詞の働きをするものをいいます。例えば、“as well as(と同様に)”や、“as soon as(するやいなや)”、“as〔so〕long as(する間〔かぎり〕は)”、“in case(に備えて)” などがあります。

○ He is honest as well as hard-working.
 「彼は勤勉であるばかりか正直者でもあります。」

○ As [So] long as I live, I will not forget what you have done for me.
 「⽣きているかぎり、あなたが私にしてくださったことは忘れません。」

 

 

 

 

参考
トイグル英文法   https://toiguru.jp/conjunctions
英文法大全  https://www.eibunpou.net/13/chapter32/32_1.html ,32_2.html
ライティングのための英文法ハンドブック  研究社
エイカツ  https://kanzenmap.com/conjunction
24/7 English  https://247-english.jp/article/post-39/
たかが英語、されど⺟国語 〜翻訳者・渡辺⽔華のブログ〜  http://mizcaeigo.com/however-therefore-semicolon/

 

 

ORG: 2019/11/04