Eメールの基本マナー:ネチケット
Eメールの基本マナー:ネチケット(netiquette)
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Eメールをやり取りするときに最低限守らなければならないマナーがあります。これをネットでのエチケットという意味で、” network + etiquette ” の合成語でネチケット(netiquette)、あるいはEメールの礼儀作法(e-mail courtesy)といいます。ビジネスでEメール を書かなければならないあなたのために、管理者の苦い経験も含めて、ビジネスパーソンとしてのネチケットを、書いてみましょう。
本サイトの管理者マーシーは、もうすぐ50歳になろうとしたときに、アメリカ/ドイツに本社のある会社とのジョイントベンチャーに出向になりました。
それまではあまり英語に関係ない世界で仕事をしていたので、正直困ったなというのが実感でした。それでも品質管理というこれまた会社人生で初めて経験する仕事分野で、輸入品のクレーム対応で仕方なく英語でEメールを書かざるを得なくなってしまいました。いろいろな本を買ったり、英語のできる同僚の女性にお願いしたりで、本当に今思い出しても大変な時期でした。朝の3時に起きて、返事の文面を考え、参考書やグーグル翻訳で何とか英文に直して、出勤前の5時半にやっとメールできるようなことが度々ありました(ちなみに、私は平社員でしたが、所属チームが24時間仕事のことを考えろとの方針でしたので、あまり違和感はありませんでした。)。
英語以外のもいろいろなことを改めて経験することは、結構新鮮で楽しんでいました。
本題に関係ない話はここで置いておいて、本項ではビジネス向けのEメールを書く上で注意しなければならない基本的なマナーについて書いてみます。なるほどなと思うことや、本当かいな(管理者の思い込みで、メールを受け取った相手はそれほど気にしていなかったかもしれませんが)と思われることもあるかと思います。
それでは。
・1行は、半角80文字以内におさめよう
Eメールは世界中に発信します。ビジネスで利用している受信者のコンピュータはほとんどがWindows か Mac と思われるので、昔のように80文字(半角です)で文が自然に切れてしまうようなコンピュータを使っている人はほとんどいないかもしれませんが、読みやすさも考慮してできる限り1行は半角80文字以内に収めるようにしてください。
さらに文字化けや、返信(>)、引用記号などを使う場合を考えると、1行は半角で76文字程度で改行するように心がけるのが無難です。
・全角文字は使わないで
Eメールをテキストモードで送る場合、文字コードだけが送られます。特に海外へEメールを送る場合受信する側のコンピュータが英語フォントしか読めない場合も多くあります。その場合、英文字は文字化けしてしまい相手はさっぱり読めません。
管理者も、一度ヨーロッパにメールを送った際、不用意に何か所かで全角文字(数字)を入れてしまい、読めないとクレームが来たことがあります。
報告書作成時に、日本向けでは数字など全角を使用する場合があり、そのクセでフッと打ってしまうことがありました。
今は、海外向けにEメールを打つときは、IMEを最初から半角モードに設定するようにしています。おじさんの対策としてはこれが限度かな?
・大文字(ABCDEF...)使いに気を付けて
自分の意見を強調したいときや、注目してほしい時など、ついつい全文を大文字で書いてしまった経験はありませんか?
実は、管理者も一度だけ本文全部を大文字で書いたことがあります。その時はccで入れていた英国留学の経験のある女性職員の方にダメだよと言われました。
「文全体を大文字で書くと、相手に向かって大声で怒鳴りつけているような印象を与えるので気を付けてください」と言われました。なるほどと、以後気を付けました。
・すべて小文字では書かない
ふつうは、文章および固有名詞の最初の1文字と、1人称の” I ” は大文字にします。非常にまれですが。文章のほとんどが小文字で書かれたEメールをもらうことがあります。
発信者は、単にシフトキーを押すのが面倒、あるいは小文字のほうが優しい印象を与えると考えているようですが、小文字だけの文章は、相手に対して怠惰な印象を与えてしまいます。
ビジネスEメールではNGです。
・強調の仕方が単調にならないように
ビジネスでよく使われるOutlookではHTMLメールが使えますが、テキストモードでしか受信しないメーラーを使う人もいます。その場合は太字や色文字などの装飾は使えません。強調する場合は” * ”(Asterisk mark)や” – ”(Under bar)がよく使われます。しかし、多用すると文章が読みにくくするばかりが、相手の目が慣れてしまえば強調にならなくなってしまいます。
Eメールを打つ前にもう一度見直して、強調する箇所が多くなっていないか確認しましょう。
そのほか、大文字を使用して強調する場合があります。この場合も一語程度なら問題ないですが、前項のように全て大文字で書くのは、非常に圧迫感を与えるので絶対に避けるべきです。
・文章は簡潔に
Eメールは、手紙というより電話に近い性質があります。電話では短く用件を伝えることが大事ですが、Eメールも同じです。Eメールはなるべく短く簡潔書くことがマナーです。伝えるべきポイントを明確にして、要点が一目でわかる文面にすることが望ましいです。できれば相手がスクロール無しでも読める長さが理想です。スクロールが必要な場合でも、最初の表示画面で大切なことは、わかるように結論は最初に書きます。
ビジネスパーソンは何百通ものEメールを受け取っており、返事など処理すべくことも多くあります。ビジネスのメールでは、よほどのことがない限り時候のあいさつは不要です。
・1メールには1案件
1つのEメールに案件を2つも3つも書くのは、以下に示す理由から避けるべきです。
[避けるべき理由]
/ Eメールが長くなってしまう
前項でも示したように、Eメールの原則は”短く簡潔に” です。必要以上に長いメールは読みにくいし、そもそも読んでもらえない危険性があります。
/ 受信者がすべての案件に対応しない恐れがある
受信したEメールを件名別のフォルダーに振り分ける場合、そのフォルダーの内容に関係ない案件は対応せずに忘れられる場合があります。
/ 相手を混乱させてしまう
案件が複数あると、それらの関係はどうなっているのか考えてしまい、意味が分からなくなり混乱する場合があります。
・発信者の所属・名前は明確に
Eメールの発信者を見ても、メールアドレスからは判別できない場合があります。同じ会社に所属している相手に対して何度もメールするようになったら省略することもありますが、特に社外に発信するビジネスメールでは、メールの最後に、自分の名前や、肩書、会社名、部署名、連絡先(Tel,Fax)、メールアドレスなどを明記します。
・できる限り迅速に返信する
毎日膨大な量のEメールを受け取るビジネスパーソンは、届いたメールを素早く処理しないと、大切なメールをうっかり放置したり、未処理のまま削除してしまう可能性があります。Eメールの用件は素早いレスポンスが期待されます。できる限り迅速に返信するようにしましょう。
案件が複雑な内容で返信に時間がかかる場合や、社内でのコンセンサスをとったり関係部署の承認が必要な場合、受信者が多忙ですぐに返信ができない場合は、まずメールを受信したことを相手に伝え、いつまでに返信するというメールを送るのが礼儀です。
また、休暇や出張などで長期に不在になる場合は、可能なら自動応答機能を活用して、送信者に不在通知のEメールを送るようにするのが望ましいです。さらに、不在中にあなたに代わって対応してもらえる人のメールアドレスも通知しておくのが親切です。
・即答は求めない
受信したメールに対しては、できり限り迅速な変身を心掛ける必要がありますが、一方自分が送信したメールに対しては、相手に即答を求めないという思いやりも必要です。相手が多忙であったり、すべての人が受信したメールを受信してすぐに開くわけではないことを、考慮する必要があります。
・件名はメール内容に合致したものをつけよう
大量にメールを受け取る忙しいビジネスパーソンは、件名だけを見て、メールの緊急度、重要度を判断する場合が多いです。内容を的確に示していない件名では相手がメール本文を読まない可能性が生じます。
必ず、メール内容に合致した件名をできるだけ簡潔につけましょう。
・性別を区別しない言葉を使う
これは、メールだけではなく、会話のシーンでも注意しなければならないことですが、基本的に性別を限定しない言葉(無性語)を使うようにしましょう。英語では、性別を限定する言葉は差別用語になります。不用意に使うと、教養や常識に欠ける人と判断されます。最悪の場合は性差別主義者(sexist)という印象を相手に与えてしまいます。
このほか、人種や、民族、宗教、身体的な特徴・障害などで、差別を招きかねない言葉は使ってはいけません。差別のない言葉を、非差別( Politically correct)用語といいます。
・スペル、句読点などのチェックをする
Eメールによるやり取りは、英文レターよりカジュアルな印象があり、少しのスペルミスや句読点の間違いなどあまり気にしなくても良いのではと、考えてしまいがちですが、友人同士のやり取りならともかく、ビジネスメールではNGです。
どんなに自信があっても、メールを書き終えたら送信前に、必ずスペルチェックをしましょう。ただスペルチェック機能でスペルミス(misspell)はチェックできますが、用法の使用ミス(misuse)はチェックできません。必ず送信前に読み直して、意図が伝わっているかを確認しましょう。また、時間的な余裕があれば、同僚や上司に校正してもらうのがよいでしょう。管理者も、英語に自信がないので、英国に留学経験のある同僚に確認をお願いしたことが何度もあります。
また、句読点が正しく打たれているかを確認することもとても重要です。句読点が正しく使われていない文章は、非常に読みにくいこともありますが、場合により意図したこととは違った意味に相手がとってしまい誤解を招くことがあります。
何より、スペルミスや句読点のミスを無くして、自分が意図するメッセージが相手に正確に伝わるように心がけてください。どこかでも書きましたが、あなたが書いた文章は、あなた自身のビジネススキルの判断や、会社のイメージに直結していることを忘れないようにしましょう。
・不用意に転送しない
企業で構築しているメールシステムは、アドミニストレータ(Administrator ; 情報管理者)がEメールをチェックできます。企業によっては、情報漏洩の観点から社員のメールをモニターしているところもあります。ビジネスシーンで使うEメールにプライバシーは無いと考えたほうがいいでしょう。
しかし、Eメールの発信者は受信者であるあなた以外に読まれることに抵抗を感じているかもしれないと考えなければなりません。自分宛てに来たEメールを転送する場合は、メールの内容を吟味して慎重に行いましょう。内容によっては、発信者に了解を取るようにしてください。
・添付ファイルは慎重に
ファイルを添付する場合、相手に送っても良いかどうかを確認する必要があります。世界の多くの国々では、まだダイアルアップ接続が主流です。出張先で宿泊しているホテルで、ダイアルアップ接続でメールを読む場合も考えられます。ファイルサイズが大きいと、ダウンロードに時間がかかってしまい、受信側に大きな負担をかける場合があります。莫大な長距離電話料金を課せられる場合があります。
なお、添付ファイルを送る場合、メールシステムの送付可能サイズを考慮して、大きい場合は分割して送信するか、圧縮します。また、英語環境では日本語や全角の英数字は文字化けします。ファイル名は必ず半角英数字でつけるようにして下さい。
参考文献
英語でEメールを書く ブライアン・アズビョンソン/田中宏昌 講談社インターナショナル(株)
絶対に使える英文eメール作成術 大島さくら子 (株)角川SSコミュニケーションズ
ORG:2019/10/6